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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第170号 ’03−03−14★
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人間劣化
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●若くして陸軍航空士官、
お国に命を捧げるつもりが機材不足で飛べず、不本意ながら生き残って
しまった男が<空>に憧れ続け、漸く生活に余裕も生じた昭和40年代、
飛行機の操縦を習い始め、、 ある日、「乗せてやるから来い」。
*
行って、たじろぎましたよ、そのヒコーキの一見<頼りなげ>な様子に。
モラン・ソルニエとか言う初級機、エンジンはバイク並み、低速時揚力
を得るための主翼前縁フラップは<自動>式。
バネに吊られて垂れているのが、速度が増すにつれ風圧で押し込まれる
素朴な仕掛け。 さすが合理性のフランス人、と褒めつつ触ってみると、、
ねえ、ここ油差さなくて良いの?
些か気味悪かったが後には退けず、離陸。 さあ、フラップは? 気に
なって見守るうち、両翼同時でも全縁均等でもなく、まるで嫌々ながら
でしたが、ともかくも引っ込んでくれました。 やれやれ、、 思わず
呟くと彼、「心配すんなよ、オレは<操縦してる>んだから」。 え?
「この間国内線ジェットで操縦室を覗かせてもらったんだが、ギョッと
したぜ、誰も<働いて>なかったんだ! 車座?になってお喋りに夢中、、
オート・パイロットさ。 でも、前方注視や計器類チェック、怠っちゃ
いけないのに。 キカイの進歩で人間が堕落、主客転倒だぜ、、」
元特攻要員、<近頃の奴ら>を蔑むことしきりでした。
* *
じゃ、ジェット操縦士は何のため? エプロンにピタリと付ける役さ、、
昔は冗談でしたが、現実、JR新幹線運転士は<定位置に止めるだけ>。
本来は補助だろう自動装置が主役、人間様は監視と後始末のチョイ役。
このたびはそれすら怠って、「、、熟睡」<8分間、時速270キロ>。
肩を叩かれるまでグッスリ、とはいかにもヒドすぎました。
いや勤務前日からヒドかった。 公休だったのに体調維持に励むどころ
か夜半までアルコール漬け。 それも「同僚と」だそうで、運転士社会
の倫理感欠如、懸念されます。
直接には<人命>と関わらないサーモ屋ですら、社員の生活ぶりに
神経を使ってましたよ。 品質は人柄の反映、ですからな。
そこで平凡人我が女房の素朴な疑問、「奥さん、いないのかしらね?」。
いて、その職業のご亭主の、そんな振る舞いを許すなんて考えられない、
と。 うん、良い家庭じゃなさそうだな、、
* * *
いまさら言うまでもなく、良からぬ社員は良からぬマネジメントの所産。
報道の節々にJRの<良くなさ>がチラついています。 たとえば
常識外の<熟睡>から覚めたばかりの男に「病気ではない。大丈夫」と
答えさせるような質問も愚かだが、車掌など第三者の裏付けも取らずに
指令所は運転継続を許す。 常識外の不用心。
「指令所は精神面での動揺がないかも運転士に確認しており、、判断に
誤りはなかった」とJR西日本はしているが、東京指令所は1千キロの
彼方。 どのようにして<ない>と<確認>できたのかね?
「病気じゃないんですね?」の交信はTVでも流されたが、答えは
ハキハキせず、この答えはオカシイ、と思わない方がオカシイ、と
感じさせるようなものでした。
直前の韓国地下鉄火災でも指令室と現場は噛み合っていなかったが、
東京指令所はそれを<他山の石>にしなかったようです。 残念。
「仮に病気であれば交代の運転士を派遣するケースだが」、<居眠り>
は病気ではない、いずれにせよ新大阪では交代、と考えたか運転を継続
させ、「車掌を運転席に添乗させた」と発表したが、、
それがウソだったことはすぐバレた。 状況把握、情報伝達、、 何の
不具合でそうなったか、は報道されていませんが、そんな良い加減のを
<マネジメント>と言うのかね、JRでは?
* * * *
そしてJR西日本運輸部長は、「基本動作の徹底と管理者による添乗を
強化し、、」と。 <目を覚まし続ける>という基本動作もナッテナイ、
脇に見張り番を置かないと安心できないようなのに運転させている、と。
やがて謎は解け、SAS睡眠時無呼吸症候群と来た。 家族や同僚から
そう指摘されてもいたのに<百薬の長>頼み、身長170cmで体重100kg!
自己管理なき男、職責の認識や使命感も無いだろう。 それがその時は
頑張って、岡山発9分遅れを新大阪までに5分取り戻す。 距離180
キロ、<ひかり>は通常53分、即ち速度約1割アップ。
頑張ったのは自己判断で? それとも指令で? ATCがあるから安心、
かどうか、彼らにおいて<乗客の安全>は最優先の目標ではないらしい。
何から何まで、ひっくり返っていますなあ。
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●どんなに良く作り上げたシステム
でも、永く使えばどこかに劣化や不適合が生じて来ます。 健全に作動
させるには、修復や補強、欠かすわけには行きません。 たとえば、
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40年前の開通時には考えられなかった人質低下が生じているのだから、
あの航空機並みの速度、乗客数、今からでも<正副2名乗務>に改める
べきかも知れない。 2人同時にグッスリ、はまさか無いだろう。
運転士の選抜・育成システムにも改良が必要。 <心の停電>を起こす
タイプは、F先生式の判別法なら確実に検出できます。 医学的にOK、
でも心のバランスを欠いた人、に多くの人命を託するのはあまりに危険。
<管理者添乗>案はバカバカシイが、即実行可能な応急措置、ではある。
しかし、安くなかろう。 監視カメラ映像を飛ばし、指令所でモニター
すれば足りる。 そんなこと、これまでしてなかったのかな?
いずれにしても、現に稼働中のシステムだから止められない、パッチを
当てて凌いで行くほか無い。 それはソフトのバグ対策と同様、完璧や
キレイサッパリを目指しても始まらない、、
* *
で思い出すのは、山崎正和教授の<対症療法の知恵>なる一文。(サン
ケイ新聞社 昭和50年発行 <病みあがりのアメリカ>
p.40)
「、、ニューヨークにほどこされた数々の犯罪防止策を見ていると、
私は、この対症療法の知恵がとくにアメリカ人のあいだで異常に
発達している、という感慨を抑えることができない。」
挙げられているのは、バス強盗なら<釣り銭廃止>で運転手に金を全く
持たせないことにした例、地下鉄犯罪なら<警官乗務車両>に全乗客を
集めて守りやすくした例、そのため警官増員で財源が必要となれば交通
違反罰金の大幅値上げ、、などなど。
「きわめて簡単で、即物的で、しかも効果的な対策が、それこそなり
ふりかまわず町のいたるところにほどこされ、、、 ついにニュー
ヨークはその最悪の時期を生きのびてしまった、、」
(p.41)
起きた事件が低次元、なら対策もそれにふさわしく、の感。 もちろん
「アメリカ人といえども、けっして問題の本質的な解決に目をつぶって
いるわけでない」(p.42) のであって、見習うべきは対策実施の速さと
実際的効果の挙がりよう。 アメリカン・プラグマティズム?
当初はトラブル無く機能していたシステムが、人間関連要素の変化から
不都合を生じ始めたら、、廃止かパッチか、二つに一つ。 JRの対応
も<なりふりかまわず>実際的効果本位であってしかるべし。
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●<ハインリッヒの法則>(第36号既述)
が当たるなら、今回のような1事件の周辺には29もの前段階的事件が
あり、さらにたどれば300もの関連小事実が裾野をなしていたはず。
それらを見逃さず、小まめにパッチを当てていたら、、
それほど怠慢だった連中がヌケヌケ、「営業運転中の運転士の居眠りは
新幹線、在来線ともに同社発足以来初めて」と書かせる。 ウソつけ!
僅か10日前にもあったでしょ? とか取材者は突っ込まないものか?
みんな低次元。 なら、対策提案の次元もそれなりの低さで、、、
*
今まで大事故無しで来られた名誉を守るためにも、危険傾向ある運転士
を早急にリストから削除すべきだが、同時に彼らを放置していた管理者
たちも削除しなくちゃ片手落ち。 で、
運輸部長以下、運行業務関連各段階のヘッド全員、直ちに役から外して
集め、1チーム編成。 見逃していた<29>や<300>の洗い出し
と対策立案に当たらせる。 期限は解雇予告期間相当、1ヶ月。
有効な案が出せなかった者はそこでオシマイ。 退職金、慰労金等無し。
<潔く退く手本>になってもらおう。 案の評価は彼らの後任者たちに
委ね、そのため彼らにも独自に対策課題リストを準備させておくのだが、
前任者の案の方が有効と判定された場合にはめでたく元の席へ復帰させ、
負けた後任者はその部署の序列末尾(もちろん減給)へ落ちてもらう。
各案の実施具現には最短の期限を設け、当該部署の筆頭・末尾コンビで
推進させる。 その中で新役職の設置が必要となったら、<解雇>者を
当てる、、
* *
戦後日本の急速な発展には、<公職追放>などで浮上した<三等重役>
たちの奮起が大いに貢献したと申します。 コトナカレの<上>を一挙
何(十?)人か消せばJRも、、と期待?するのみです。
いや、JRに限ったことではない。 「始め良ければ」が「終わり良し」
につながっていない話はどこにもある。 つなげるには、パッチ当てを
怠らぬこと。 たとえ<乱暴なくらい>であっても、早く、確実に、で。
* * *
元航空士官の着陸ぶりは私の予測とは違いました。 着地点にソロリと
近づき、数メートルの高さからいきなり<落とす>。 本人はフワリの
つもりかも知れないが、私には<ドカン!> 何と乱暴な、、
「操縦を教えてくれたのが元海軍でね、荒れる海で空母に着艦するには、
これが確実なのさ。 スマート? クソ食らえ!」
■竹島元一■
■今週の
<私の写真集から>は、 ★富士遠望★
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